SecondSource一次情報から判断を組み立てる
プロダクトと半導体 · 2026年9月16日

Salesforce が初の自社推論モデル Koa を出した。大手のモデルをもう一社つなぐのではなく、NVIDIA のオープンウェイトモデルを自ら追加訓練し、重みも自社で握る。

プロダクト動向 · 今週 (発表は 9 月 15 日)

この記事の出典 2026年9月16日 夕刊

Salesforce は顧客関係管理ソフトの最大手の一角だ。推論モデルとは、答える前に手順を分けて考え、どのツールを使うかを決めるタイプのモデルを指す。同社と NVIDIA が 9 月 15 日に発表したところでは、Koa は NVIDIA のオープンモデル Nemotron 3 Super を土台に、三十年近い企業導入の経験を模した合成データで追加訓練した。公式には顧客データを一切使っていないという。オープンウェイト(モデルの重みを公開し、誰でも自前でホストできる形)の土台を使いながら、Koa の重みは Salesforce が持ち、訓練も推論も自社のシステム内で完結する(Salesforce 公式プレスリリース、2026-09-15)。Koa の用途は、Salesforce 自身の AI エージェントに、顧客関係管理で多段階にわたる業務をこなさせることにある。見込み客の開拓、商談の評価、サポート案件の処理などだ。公式発表によれば、自社の顧客関係管理ベンチマークで Koa は先行モデルに並ぶか上回り、誤りは三分の一だという。評価したのは商談の更新、サポート案件の振り分け、フォローアップの日程設定といったタスクだ。いまは一部の試験導入顧客にだけ提供しており、2026 年冬に米国リージョンで正式提供する見込み。⚠️ このベンチマークは Salesforce が自ら設計し、自ら測ったものである。「先行モデル」がどれかを原文は名指ししておらず、本紙は倍率を確かめられない。⇒ 大手の企業ソフト会社が、業界の業務知識を、重みを自ら握るモデルに組み込み始めた。本紙の読みはこうだ。この道が通用するなら、呼び出しごとに課金する汎用モデル企業は迂回され、オープンウェイトの土台モデルとコンピュートを提供する側が得をする。ただし Koa はまだ一部の試験導入顧客にしか出ておらず、規模は見えない。調達する側はもう一つ問うべきだ。この取引先が使う AI エージェントの裏にあるのは誰のモデルで、重みは誰が握っているのか。

note で無料購読——今日の夕方から届きます

note のフォローだけ。いつでも解除できます。お願いするのはこれだけです。

note をフォローする(無料)

同じ分類の最新