SecondSourceAI産業の「判断」を届ける夕刊ブリーフ

深掘り データセンター反対は選挙に入った。行き着いた先は州知事の机で、候補者の多くが求めているのは禁止ではなく電力の自前調達だ · 2026年9月19日

データセンター反対は選挙に入った。行き着いた先は州知事の机で、候補者の多くが求めているのは禁止ではなく電力の自前調達だ

深掘りレポート第 36 回。今回攻め直すのは、本紙が一週間あまり前に書き留めたまま、公開を見送った読みである。

本稿の要点

米国のデータセンターへの反対は、今年たしかに選挙の争点になった。ただし行き着いた先は連邦ではなく、州知事の行政命令である。政策追跡機関 MultiState の読みでは、選挙戦で多数派の候補者が求めているのは、データセンターが自分の電力コストを自分で負担することであり、全面的な建設禁止は少数派にとどまる。

本紙は九月十一日、ある判断を社内で書き留めたが、材料が一例しかなかったため公開しなかった。その判断はこうだ。米国のデータセンターへの抵抗はこの一年、地方の許認可と州知事の行政命令という層にとどまっていた。ここなら一件ずつ交渉でき、政権交代で撤回でき、地域への還元金や税の取り決めで片づけられる。ところが八月二十日、ミシガン州の共和党の連邦上院議員候補が新規データセンターの一年間の建設禁止を主張した。これは抵抗が「連邦選挙の公約」という形で現れた最初の例だ——。判断はそこからさらに推論を進めた。この形が広がれば、開発業者が持つ二つの既存の対応手段が同時に効かなくなる、と。一つは地元自治体と一件ずつ協議すること。もう一つは敷地内に自前の発電設備を建てることだ。業界で behind-the-meter と呼ばれるこのやり方は多くがガス発電で、電力会社の系統接続の承認を順番待ちせずに済むため、接続承認を迂回できる。本稿はこの判断を分解して検証し直した。結論は三層に分かれる。

まず訂正から。「最初」と「連邦」という二語はどちらも成り立たない。この候補者は冒頭で連邦による禁止は支持しないと明言しており、求めたのはミシガン州が自ら決める一年間の一時停止だった。連邦レベルの建設禁止法案は、サンダース上院議員が三月二十五日にすでに提出している。七月二十一日の時点で、少なくとも十二州の州知事候補が一時停止への支持を表明していると数えた報道もある。八月二十日に本当に初めて起きたことはもっと狭い。本稿が確認できた報道の範囲では、激戦州の共和党上院議員候補が、共和党全国上院委員会(NRSC)が内部警告を出したあとに、一時停止支持へ立場を変えた。NRSC は党の上院議員候補の選挙戦を専門に支える組織である。

選挙が抵抗を送り届けた先は州知事の執務室であり、知事が公約を果たす手段は相変わらず行政命令だ。データセンターの用地と許認可は州と地方政府が出す。連邦上院議員にできるのは議会での投票だけで、特定のキャンパスを許可したり禁止したりする権限は手元にない。だから彼の公約は、この職では果たせない。果たせるのは州知事候補であり、なかでも最も具体的に語った一人が約束したのは、まさに就任初日に行政命令へ署名することだった。元の判断は、抵抗の経路が変わったとした。本稿の読みは違う。経路は変わっていない。政策は最後まで州知事の行政命令で実現し、次の知事はそれを撤回できる。変わったのは、誰がその命令に署名する権限を持つかが選挙で決まるようになったことであり、その日程も前もって分かっている。十一月三日に開票し、来年一月に就任する。本稿では、当選後に禁止令を署名または拒否する権限を持つ人を「ペンを持つ者」と呼ぶ。

では、自前発電という逃げ道はふさがれたのか。ほとんどの場合、ふさがれていない。むしろ選挙戦がその背中を押している。 MultiState の読みでは、多数派の候補者の立場は、データセンターが電力を自前で用意し、電気代を全額払うこと、つまり電源を自ら確保するか、系統増強のコストを自ら負担することだ。そのコストを払えるのは、ほかならぬ自前発電の開発業者である。自前発電で迂回できないのは全面的な建設禁止令だけで、全面禁止は選挙戦のなかで少数派にすぎない。

ここまでしか読まない方へ:今後「またある候補者がデータセンターの建設禁止を主張した」と目にしたら、まず二つを問うとよい。その候補者が目指す職は、当選後にその禁止令に署名できるのか。求めているのは建設禁止なのか、それともデータセンターが自分で電力を用意し、自分で払うことなのか。一つ目の答えが「できない」なら、多くは選挙向けの意思表示にすぎない。二つ目の答えが「自分で用意する」なら、自前発電の開発業者にとって悪い知らせではない。

本サイトにはこのテーマの変遷を示す脈絡図がまだないため、本稿は図を付けない。

日付の照合:八月二十日より前に、選挙にはすでに何があったか

この照合から始めるのは、元の判断が一つの例だけに立っていたからだ。八月二十日、デトロイト・ニュースの政治担当記者が、共和党の連邦上院議員候補マイク・ロジャーズ(Mike Rogers)が新規データセンターの一年間の建設禁止を支持していると報じた。記者本人の速報投稿は "UPDATE: Republican U.S. Senate candidate Mike Rogers is endorsing a one-year moratorium on new data centers." というものだった。元の記事は有料壁の向こうにあり、本稿が読んだのは同じ記事の Yahoo 転載版で、同日のエネルギー専門メディア E&E News の報道と一語ずつ突き合わせた。デトロイト・ニュースに対してロジャーズが最初に口にしたのは、連邦による禁止は支持しないが、ミシガンにはもっと強いガードレールが必要だ、という一言だった。

彼はそのあとで理由を四つ挙げた。地域社会の決定権、電気代、水、そして利権である。そのうえで、ミシガンが地元コミュニティを優先する承認手続きを整えるまで、新規データセンターを一年間停止すると提案した。E&E News の書き方はもっと直截で、彼が支持するのは全国的な禁止ではなく、州の意思決定者が承認するミシガン州での一年間の一時停止だ、と伝えている。

この一言を時系列に戻してみる。

日付出来事レベル
三月二十五日サンダース上院議員とオカシオ=コルテス下院議員が「AI データセンター一時停止法案」を発表。サンダース氏は、連邦レベルで AI データセンターの一時停止が必要だと述べた連邦法案
六月二十四日下院版が正式に提出される。共同提出者は九人、全員が民主党連邦法案
七月十四日報道によれば、ニューヨーク州知事が一時停止令に署名州知事の行政命令
七月二十一日ニューズウィークが、少なくとも十二州の州知事候補が AI データセンターの一時停止に支持を表明していると報道州知事選
八月三日報道によれば、テキサス州知事が州内で系統接続待ちのデータセンターの点検を命じる州知事の行政命令
八月八日ミシガンの民主党上院議員候補エル=サイード氏が、連邦レベルのガードレールができるまで一件も承認してはならないと発言。オハイオの共和党州知事候補ラマスワミ氏が、立法を求め、立法までは州全体で一時停止するとの公約を発表上院選と州知事選
八月十八日報道によれば、ペンシルベニア州知事が地元コミュニティの同意取得を求める行政命令に署名。同じ週、共和党の上院選挙委員会が内部メモを出し、データセンターを中間選挙全体に潜む眠った争点と位置づけた州知事の行政命令、党組織
八月二十日ロジャーズ氏がミシガンでの一時停止支持へ転じる上院選、州レベルの政策

この表から見ると、元の判断の「最初の連邦選挙公約」には直すべき点が三つある。連邦レベルの主張は三月の時点で法案の形ですでに存在していた。選挙戦での一時停止の主張は、七月には十数州の州知事選に出ていた。そしてロジャーズ本人が、求めているのは州レベルの政策だと明言し、連邦による禁止を否定している。彼自身の選挙区でさえ、彼は最初ではなかった。民主党の対立候補エル=サイード氏が、その十二日前に条件付きの一時停止を口にしている。

では八月二十日に本当に新しかったのは何か。答えは元の判断より狭いが、それでも情報はある。本稿が確認できた報道の範囲では、激戦州(両党の勝敗が読めない州)で共和党の指名を受けた上院議員候補が一時停止支持に転じたのは、ロジャーズ氏が初めてだ。 転換の時期は、所属政党の上院選挙委員会がメモを出した直後にあたる。メモの趣旨は、有権者のデータセンター観を早く修正しなければ、反対運動はオハイオの外へ大きく広がる、というものだった。別の調査報道メディアは、同メディアが彼の AI 関連投資を報じた数日後に彼が立場を変えたと伝えている。ただし本稿はその記事の要約しか読んでいない。これらを合わせて言えるのは、党組織がデータセンターを選挙上のリスクとして管理し始めたということだ。これは「連邦政策が建設禁止に動き出した」こととは別の話である。

上院議員候補はペンを持たない:公約が果たされるかは職で決まる

日付の照合が崩したのは一本目の柱だった。元の判断の二本目の柱は、公約は行政上の措置より撤回しにくい、なぜなら「任期単位で、公の監視がある」から、というものだった。この一文を書き留めた時点で、本紙はそれを支える証拠を持っていなかった。本稿は証拠を探しにいった。結果は、この一文はある人たちには当てはまり、別の人たちには当てはまらない。境目は職にある。

政治学には「公約の実現率」を比べた研究がある。二〇一七年に米国政治学誌(American Journal of Political Science)に載った国際比較研究で、著者らは要旨のなかで、米国では大統領の所属政党の公約の平均六割超が少なくとも部分的に実現したとし、同じ論文は、行政権を握らない側の実現率ははっきり低いとも指摘している。著者は Thomson、Royed、Naurin らで、対象は国レベルの政権党、数えているのは「少なくとも部分的な実現」なので基準は高くない。本稿が読んだのは要旨だけだ。これを州知事候補や上院議員候補に当てはめるのは本稿による類推であって、研究そのものの結論ではない。本稿はこの類推にもとづき、公約が政策になるかどうかは、主に語った本人が当選後にそれを実行する権限を持つかどうかで決まると見る。

本件に当てはめるとこうなる。

だから「公約は撤回しにくい」という言い方は、こう絞り込む必要がある。この一文に意味があるのは、語った本人が当選後にペンを持つ場合だけであり、ペンを握るのは主に州知事候補である。

州知事のペンは相変わらず行政命令:変わるのは誰が、いつ握るか

ペンが州知事の手にあるとすれば、次に問うべきはそのペンで何を書くかだ。ここで元の判断が扱っていなかった転回が現れる。州知事が公約を果たす最速の手段は行政命令である。それはまさに、元の判断が「一件ずつ交渉でき、政権交代で撤回できる」と呼んだ層にほかならない。

半導体とデータセンターを専門とする調査会社 SemiAnalysis は、九月十五日の棚卸しでこの点をはっきり書いている。"Both New York Governor Hochul and Texas Governor Abbott bypassed their legislatures to impose pauses they can ultimately control and revoke." より持続的な州全体の規制は、依然としてはるかに難しい。"More durable statewide restrictions remain much harder to enact: 13 bills died in 2026, with almost none reaching a floor vote."

したがって本当の変化は、より具体的な二つの点に落とし込める。

第一に、誰がこの命令に署名するかが選挙で決まり、署名の日程も前もって分かるようになった。 この一年、開発業者が向き合ってきた州知事の一時停止令は、いつ降ってきてもおかしくないものだった。ニューヨークは七月十四日、テキサスは八月三日、ペンシルベニアは八月十八日で、どれも事前に決まった日付はなかった。いまは、少なくとも一時停止を支持する候補に当選の見込みがある州では、リスクが既知の日程表に集まっている。十一月三日に開票、来年一月に就任、そのあとに二〇二七年の州議会会期が来る。ニューハンプシャーの現職知事は、予算に複数年の一時停止を盛り込む考えを示したと報じられており、発効は早くて二〇二七年七月になる。この件は見出しと要約しか確認できていない。

第二に、ペンを握ったあとは撤回のコストが上がる。ただし、それはペンを握った本人に限られる。 初日の一時停止署名を訴えて当選した知事が任期中にその命令を取り下げれば、自分に投票した有権者と支持者に向き合わなければならない。その政治的代償は、場当たり的に命令を出した知事よりずっと大きい。この点では元の判断は正しかった。とはいえ、次の知事はやはり撤回できる。地方の一時停止令は別の形で撤回される。政治的代償ではなく、開発業者の訴訟に押し戻されるのだ。本稿が見つけた反例は、地方の命令のほうが早く撤回されることを示している。テキサス州ヒル郡は五月に三対二で一年間の猶予令を可決したが、開発業者が連邦訴訟を起こしたあと、六月十二日には解除して情報開示リストに切り替えた。カリフォルニア州インペリアル郡の一時停止は、裁判所の命令で保留されたと報じられている。選挙は撤回を遅らせるが、行政命令を法律に変えはしない。 法律にするには州議会を通す必要がある。SemiAnalysis の集計では、今年この種の法案が十三本廃案になった。メイン州議会は一本を可決したものの、それも知事の拒否権で止まった。

選挙戦の主流は「電力は自分で」:それは自前発電の開発業者が最も通りやすい関門だ

撤回のしやすさの話はここまでにして、元の判断の最も鋭い一文に移る。開発業者が系統接続の承認を迂回する手段は、系統を待たずに自前で発電することだ。だがこの手は「データセンターそのものを対象とする建設禁止令」の前では通用しない——。この一文の論理は間違っていない。誤りは、選挙戦がそうした禁止令を生むと想定した点にある。MultiState の棚卸しによれば、選挙戦が生んでいるのは大半が別のものだ。

政策追跡機関 MultiState は九月一日に州知事選を棚卸しした。三十六州の州知事候補がデータセンター政策を論じており、その結論は、大多数の候補者はデータセンター開発を支持しつつ、より強い規制を求めているというものだった。とりわけ求められているのは、施設が自らのエネルギーインフラのコストを負担することだ。これは同機関の定性的な読みで、候補者ごとの集計は公表されていない。三十六州は「データセンター政策を論じている」州の数であり、先に触れた「少なくとも十二州で候補者が一時停止を支持」とは数え方が違うので、引き算はできない。名前の出ている例をいくつか挙げる。

アボット知事のガードレールが水も対象にしている点には注意が要る。自前発電が解決するのは電力だけで、冷却水の制約にはやはり向き合わなければならない。

この三つに共通するのは、反対を禁止令ではなくコストに折り込んでいることだ。このコストを払えるのは、ほかならぬ自前発電の開発業者である。 これは方向についての判断であり、本稿は自前発電と系統コスト全額負担のコスト比較の数字を持っていない。SemiAnalysis のテキサスの一時停止についての読みも、まさにこの方向だ。系統接続の順番待ちは止まったが、"but is offset by an acceleration of behind-the-meter demand. For projects that never needed the grid, it means nothing at all, making it a net positive for BtM developers and on-site generation suppliers." 同社は六月、二〇二八年以降は自前発電が米国の新規データセンター容量の半分超を賄うと予測していた。

自前発電がどうしても迂回できないものは二つある。

したがって元の「二つの手段が同時に効かなくなる」は、こう書き直す必要がある。一件ずつの協議という手段は確かに難しくなっている。交渉相手に、公に立場を示さなければならない候補者たちが加わったからだ。自前発電という手段は、大半の選挙戦が生むルールの下ではむしろ価値が上がり、効かなくなるのは全面禁止を掲げる少数の州だけだ。 言い換えれば、抵抗は建設を止めたのではなく、禁止令の届かない場所へ建設を動かし、争点を系統の政治から大気汚染をめぐる地元の政治へ置き換えたのである。

票の見返りはまちまちで、業界はすでに資金を選挙戦に注いでいる

ここまでは制度の話だった。では、有権者は実際にこの争点で票を動かしているのか。世論の向きははっきりしているが、公約に書き込めば票につながるのかについては、現時点で証拠が両方向にあり、しかも多くは見出しか要約どまりで、差し引きの方向を言えるほどではない。開発業者は世論調査を政策の予測に使うべきではない。この節で本当に新しいのは、業界がすでに直接お金を選挙戦に投じていることだ。

元の判断の因果の第一歩は、世論があれば候補者はそれを自分の立場に織り込み、公約に書き込む、というものだった。世論の部分は向きがはっきりしている。ギャラップの三月の調査では、米国人の七割一分が自宅の近くに AI データセンターを建てることに反対した。別に、五月に行われたサンプル四千人あまりの世論調査では七割五分が反対と報じられているが、本稿はその調査主体を確認できていない。

同時に、業界は地元との協議にとどまっていない。テクノロジーメディア TechCrunch は八月三十一日、ベンチャーキャピタルの a16z と OpenAI 共同創業者のブロックマン氏が資金を出す団体 Build American AI が、特定の州で数百万米ドルを投じて広告を出し、データセンターの利点を有権者に訴える計画だと報じた。開発業者の対応手段には実は三つ目があり、すでに使われている。有権者に直接お金をかけて働きかけることだ。 元の判断は二つの手段が効かなくなるところしか見ておらず、三つ目が登場しつつあることを見ていなかった。これにより局面は、開発業者と地元自治体が一対一で、還元金を付けて進められる交渉から、公開の場で対立陣営がいて広告費のかかる選挙戦へと変わった。この点で元の判断の向きは正しかったが、業界が方向転換する速さを過小評価していた。

一方、「公約に書けば票が返ってくる」の部分は、証拠が入り混じっている。

では、何を数えるべきか

ここまでの検証を踏まえると、元の判断が提案した先行指標は作り直さなければならない。その指標は「データセンターを公約に書いた候補者がいる州の数」だった。この数字はすでに頭打ちだ。三十六州の州知事選がこの争点を論じ、少なくとも十二州で候補者が一時停止を支持している。この数字がさらに増えても、誰が本当に一時停止を実現できるのかは見えてこない。情報を得るには、二つの欄に分ける必要がある。

何を問うかなぜか
ペンを持つか候補者が当選する職は、この禁止令に署名または拒否できるか(知事はできる、上院議員はできない)公約が政策になるかを決める
何を求めるか全面的な建設禁止か、それとも電力の自前調達とコスト全額負担か自前発電という逃げ道が残るかを決める

両方の欄に当てはまるのは「就任後に全面的な一時停止令に署名すると約束した州知事候補」であり、これこそ開発業者にとって本当に新しいリスクだ。

本稿が確認した一時停止の公約(九月十九日時点、網羅的な名簿ではない)

候補者公約の内容自前発電の適用除外の明記
オクラホマシンディ・マンソン(民主党)就任初日に行政命令で一時停止本稿では確認できず
オハイオラマスワミ(共和党)立法を求め、立法までは州全体で一時停止本稿では確認できず
メイン両党の後継候補(民主党のピングリー氏は署名すると表明)一時停止を支持。現職知事は州議会が可決した一時停止法案に拒否権を行使済み本稿では確認できず

「両方の欄に当てはまる」に最も近いのはマンソン氏だ。ほかの州は十一月三日の開票後に一つずつ照合できる。

本誌の見立て

データセンターへの反対は今年選挙に入ったが、行き着いた先は連邦ではなく州知事の執務室だ。連邦の建設禁止法案は三月に出ており、七月には少なくとも十二州の州知事候補が一時停止を支持し、八月のあの上院議員候補は自ら連邦による禁止は支持しないと述べている。選挙が最後に形にするのは、相変わらず撤回可能な行政命令である。変わるのは誰が、いつ署名するかで、十一月三日に開票、来年一月に就任する。MultiState の読みでは、多数派の候補者が求めているのはデータセンターが電力を自前で用意し、コストを全額負担することであり、これは自前発電の開発業者にとってコストであって関門ではない。迂回できないのは少数の全面禁止だけだ。したがって注視すべきは、データセンターに触れた州がいくつあるかではない。十一月に、全面的な一時停止令への署名を約束した州知事候補が何人当選するか、そして電力の自前調達をルールとして書き込む州がいくつあるかである。開発業者のスケジュールは、許認可を一件ずつ交渉する時間軸から、選挙の日程表に合わせたものへ切り替える必要がある。

これは誰にとって何を意味するか

この判断を覆す条件

1. ある州が立法で州全体の建設禁止を成立させ、しかも自前発電を適用除外にしない。 その場合、本稿の「選挙が最後に形にするのは撤回可能な行政命令である」と「自前発電の開発業者にとってコストであって関門ではない」の二文が同時に誤りになる。観察期間(本紙が自ら設定)は二〇二七年六月三十日までで、新知事就任後の最初の州議会会期を含む。

2. 連邦のデータセンター建設禁止法案のいずれかが委員会採決に進む。 本稿の上院議員候補の節で示した「委員会採決に進んだ記録は見つからなかった」という確認結果と、「連邦の建設禁止はすぐには実現しない」という推論を撤回する。観察期間は同じ。

3. 十一月に一時停止令への署名を約束した州知事候補が全員落選し、二〇二七年上半期に一時停止令に署名する新知事が一人も出ない。 それは選挙という経路が開発業者に新たなリスクを加えなかったことを意味し、本稿は元の判断とともに過大評価していたことになる。観察期間は同じ。

4. 一時停止の公約で当選した知事が、任期一年以内に自ら署名した一時停止令を撤回する。 それは「ペンを持つ者にとって撤回のコストが上がる」という一文さえ成り立たないことを意味する。

5. いずれかの州で、自前発電の案件が大気汚染許可ではなく選挙公約を理由にまとめて差し止められる。 本稿の自前発電の節の「自前発電という手段は、大半の選挙戦が生むルールの下ではむしろ価値が上がる」を書き直す必要がある。


本記事は日本語版・英語版・中国語版と同一の調査と判断にもとづいて書かれており、すべての主張は一次資料へのリンクを備えています。

あなたの会社が検討している立地の州で、就任初日の一時停止を約束している候補者はいるでしょうか。お気づきの点があれば、ひと言お知らせください。今後の検証に使わせていただきます。