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Epoch AI の実験で、オープンウェイトモデル GLM 5.3 は Firefox の正式版六つへの攻撃を作った。公開済みで未配布の修正と、別に見つけた未公開の脆弱性を使い、一版あたりの限界費用は約 1,000 ドルだった

コンセプトイラスト:TEST BUILD と FIREFOX と書かれた長い濃色のカウンターに開いたノートパソコンが7台並び、左端(TEST BUILD の上)の画面には絆創膏を貼った虫、残る6台の画面にはそれぞれ虫が映り、その背後に濃色のフォルダーが立っていて、右上には三本の青緑の斜線と並んで EPOCH AI と書かれた濃色の看板がある。左手前の小さな机には GLM 5.3 と書かれた濃色のラベルを天板に付けた赤いノートパソコンと、黒い虫が入ったふた付きのガラス瓶が置かれ、床はタイル張りで、奥には淡い色の壁と淡いピンクの四角いパネルがある。

なぜ重要か: 本紙の推論:ブラウザの開発元は修正を誰でも入手できるテスト版に先に入れ、一般の利用者への配布は後になる。Firefox ではこの空白期間が、一版あたり約 1,000 ドルの攻撃に使われた。この費用で作った攻撃には、GLM 5.3 が別に見つけた脆弱性を突く部分も含まれる。空白期間だけで同じ費用になるかは、Epoch もまだ確かめていない。

Epoch AI は AI の計算資源、費用、能力の進み方を追う独立研究機関で、10 月 29 日に Firefox を攻撃する実験を公表した。

この実験が測ったのは、修正が公開されてから配布されるまでの空白期間を足がかりに、使える攻撃を一本作るのにいくらかかるかである。Firefox の修正は、誰でもダウンロードできるベータ版とナイトリービルドに先に入り、一般の利用者に配布されるのはしばらく後になる。この期間は、何が直されたかを誰でも見られるのに、多くの利用者のブラウザはまだ更新されていない。Epoch は、中国の智譜(Zhipu AI)のオープンウェイトモデル GLM 5.3 にこれらの公開済みの修正から出発させ、9 月 17 日から 10 月 26 日までに出た Firefox の正式版六つを攻撃させた。六つすべてで攻撃コードができた。Epoch によれば、この六つの版では、利用者がウェブページを一つ開くだけで被害が出る。ほかのクリックは要らない。攻撃者はブラウザに保存されたパスワードやログイン情報を盗むか、パソコン上のファイルを読める。一版あたり、使える攻撃コードを作る費用は約 1,000 ドルだった。モデルに与えた時間は一回あたり最大 48 時間で、最短の一回は 12 時間だった(Epoch AI、X、2026-10-29、Epoch の原報告、2026-10-29)。

新しいのは、攻撃の材料が公開済みの修正とオープンウェイトモデルになった点である。Epoch によれば、これまでこの空白期間を突くには多くの人手と技術か、高度なサイバー能力を持つフロンティアモデルが必要だった。Epoch は従来のやり方の費用を示しておらず、1,000 ドルが何分の一の安さかは計算できない。Anthropic の 9 月 29 日の数字は別のベンチマークの結果で、費用は測っていない。Anthropic 社内の 100 問のバイナリ脆弱性を突く問題で、完全な攻撃を作れた割合は GLM 5.3 が 4%、Anthropic が一般公開していない Claude Mythos Preview が 6% だった(Anthropic、2026-09-29)。

Epoch の原報告によれば、この結果には三つの限定がある。最近の Firefox では、被害者のパソコンで任意のコードを実行するところまでは届かず、成功とはファイルを読んで外へ送ることを指す。ブラウザからさらにファイルまで読むために、GLM 5.3 は実験の中で、それまで公表されていなかった脆弱性を別に見つけて使った。Mozilla はこの脆弱性を 10 月 27 日の Firefox 159.0 で修正した。この脆弱性がなくても攻撃が成り立つかは、Epoch がまだ確かめていないという。Chrome でも試したが、同じ水準の攻撃はできなかった。1,000 ドルは一版の攻撃コードを追加で作る限界費用で、研究全体の費用は 10 万ドルを超えた。

まだ言えないこと: 159.0 以降も成り立つかを Epoch はまだ確かめていない どう確かめたか →

次に注目するのは二点ある。Epoch が Firefox 159.0 以降の再試験を公表するか。別のチームが別のソフトウェアで、この空白期間を突く攻撃を再現するか。159.0 は、モデルが使った脆弱性をすでに修正している。この版以降に同じ 48 時間で攻撃が作れなければ、一版あたり約 1,000 ドルは、モデルが追加の脆弱性を見つけられる場合にしか当てはまらない。

出典と検証

この記事は2026年10月30日の夕刊に掲載されました(同じ号にほか 13 本)。確認の経緯、引用の照合、その日に確認できなかった資料は、その号の本日の検証にあります。

この記事を引用

SecondSource(2026)「Epoch AI の実験で、オープンウェイトモデル GLM 5.3 は Firefox の正式版六つへの攻撃を作った。公開済みで未配布の修正と、別に見つけた未公開の脆弱性を使い、一版あたりの限界費用は約 1,000 ドルだった」https://secondsource.io/ja/news/2026-10-30-1/ (閲覧日閲覧)