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Bloomberg 取材でデータセンター債利回りが7%近くに
Bloomberg の取材では、最上位格付けのデータセンター債の利回りが年初の 5% 未満から 7% 近くに上がり、貸し手は融資が上限に近いと語る一方、証券化債の二市場の発行量はかろうじて前年並み
なぜ重要か: 本紙の推論:データセンターの借り手はまだ借りられるが、借入コストは上がり、工事が遅れたときにテナントが契約から抜けられる条項を理由に、案件を断る買い手も出てきた。
Bloomberg は 10 月 28 日、データセンターの資金調達に関わる銀行家、資産運用担当者、プライベート・エクイティの幹部 30 人超を取材した独自記事を載せた。
まず価格が上がった。利回りは債券の買い手が求める年間のリターンで、上がれば借り手が払う利息も増える。Morgan Stanley の資産証券化ストラテジスト Carolyn Campbell 氏によれば、最上位格付けのデータセンター債の利回りは年初に 5% 未満だったが、今は 7% 近くにある。8% に近づくと発行ははっきり難しくなるという。Campbell 氏の言う 7% 近くは同じ種類の債券の現在の市場での利回りで、新たに発行する債券の利率は記事にない。資産証券化とは、データセンターの賃料収入を束ねて債券にし、投資家に売る仕組みである。Bloomberg が独自にまとめたデータでは、格付けの低い高利回り債とレバレッジドローンの市場で、少なくとも 18 件のデータセンター向け融資の利回りが二桁に達した。別の例として、計算資源を貸す Volta Infrastructure の 50 億米ドルの協調融資では、JPMorgan と Goldman Sachs が買い手を探す際に値引き幅を広げ、利回りは 11% を超えた(Bloomberg、2026-10-28、同じ記事の転載全文)。6 月末から 9 月末にかけて米国債の利回りも上がった。米連邦準備制度理事会(FRB)の金利統計 H.15 では、5 年物国債の利回りは 6 月末に 4.19%、9 月末に 5.09% だった(FRB H.15)。7% 近くのうち、貸し手が上乗せしたリスクの対価がどれだけかは、記事の数字からは切り分けられない。
貸す側は上限に近いと語り、債券の買い手は条項を読み込み始めた。欧州の大手銀行でテクノロジー・メディア・通信向け融資を率いる幹部は、この業界への融資は上限に近いと述べた。コンサルティング会社 Willis Towers Watson の調査では、一部の保険会社は数か月前にデータセンター向けの投融資の上限に近づくか達していた。KKR は都市から離れた立地のデータセンターを避け、Carlyle は複数の案件を見送り、Impax は組み入れを減らした。あるヘッジファンドは、工事が三か月を超えて遅れたときにテナントが契約から抜けられる条項を理由に、案件を断った。法律事務所は 180 日で抜けられる条項も見ている。Citadel のアナリスト Tucker Roberts 氏は、これほど大きな借入の受け手探しで難しい点が変わったかもしれないと述べた。以前は投資適格の後ろ盾を見つけることが難しかったが、今はより多くのリスクを引き受ける本当の買い手を見つけることが難しいという。後ろ盾とは、保証や長期契約でこれらの借入を支えるクラウド大手や半導体企業を指す。Roberts 氏によれば、これらのリスクはもともと同じ一握りの後ろ盾に集まっていた。Roberts 氏は、すぐに信用収縮が起きるとは予想していない。以上はいずれも同じ記事による。
発行量はまだ落ちていない。Campbell 氏によれば、今年これまでに資産証券化と商業用不動産担保証券の市場で発行されたデータセンター債は約 220 億ドルで、かろうじて前年に並ぶ。前年同期との比較か前年全体との比較かは、記事に書かれていない。この数字はこの二つの市場だけで、社債、プロジェクトローン、プライベートクレジットは含まない。
まだ言えないこと: 30 人超の取材先の多くは匿名で、上限に近いとの見方は記者のまとめ どう確かめたか →
投資への含意: Bloomberg の記事が裏付けるのは、借入コストが上がり、貸し手が選別を強めたことまでである。証券化債の二市場の発行量はかろうじて前年並みだが、社債や融資は含まれないため、これだけでは債券市場が『ほぼ閉ざされた』という Musk 氏の見方を退けられない。
次に注目するのは、第 4 四半期のデータセンター債の発行量と、名前の分かる資金調達案件が取り下げられるかどうかだ。データセンター証券化債の第 4 四半期の発行量が前年同期を下回るか、名前の分かる案件が一件でも取り下げられれば、「まだ借りられる」は「借りられない」に改める。Bloomberg の記事によれば、クラウド大手の利益の伸びが設備投資に追いつけば、信用市場は投機的な案件にも再び資金を出しうる。
出典と検証
この記事は2026年10月29日の夕刊に掲載されました(同じ号にほか 16 本)。確認の経緯、引用の照合、その日に確認できなかった資料は、その号の本日の検証にあります。
この記事を引用
SecondSource(2026)「Bloomberg 取材でデータセンター債利回りが7%近くに」https://secondsource.io/ja/news/2026-10-29-2/ (閲覧日閲覧)