OpenAI は GPT-6 Cyber を公開し、発表は多くのセキュリティ課題で GPT-6 Astra を上回るとするが、システムカードが引く評価会社 Irregular のテストの一つでは Astra がわずかに高い

OpenAI は 11 月 5 日、審査を通った顧客だけが使えるセキュリティ用モデル GPT-6 Cyber を公開した(OpenAI、2026-11-05)。セキュリティチームがモデルを選ぶなら、比べる相手は汎用モデルの Astra で、発表は Cyber が多くの課題で上回るとし、システムカードが引く評価会社 Irregular の結論は両者ほぼ同等である。
前世代と比べると、指定した脆弱性を悪用できるかを測るベンチマーク ExploitGym で、GPT-6 Cyber は 48.5%、GPT-5.6 Cyber は 32.1% だった。同世代の汎用モデルとの差はずっと小さい。システムカードによれば、ExploitGym で Cyber は 48.45%、GPT-6 Astra は 42.43% である。セキュリティ評価会社 Irregular は三つのテストをした。FrontierCyber は実在のソフトウェアとハードウェアで脆弱性を見つけて悪用する力を測る。全 288 問で、Astra が 96 問、Cyber が 90 問を解いた。CyScenarioBench は長時間にわたる攻撃課題を測る。全 11 問で、複数回の試行で少なくとも一回解けた問題を数えると、Cyber は 11 問、Astra は 8 問だった。Atomic は全 22 問で、脆弱性の調査と悪用、ネットワーク攻撃の模擬、回避の三分類の平均成功率は、Cyber が 97%、98%、63%、Astra が 96%、100%、66% である(システムカード、2026-11-05)。
発表は、GPT-6 Cyber が多くのセキュリティ課題で Astra を上回ると書く。Irregular の結論は、両者はほぼ同等で、長時間の課題では Cyber の成功率が高いというものだ。OpenAI 自身のフロンティアリスク分類について、発表は Cyber が前世代の High から Critical に上がったと書く。システムカードは汎用モデルの Astra も Critical と書いており、この等級では両者の差は分からない。
OpenAI は別に、GPT-6 Cyber が Firefox の新しい脆弱性を 81 件見つけ、Mozilla が高深刻度と評価したと書く。本紙は 11 月 5 日号で、同じ発表の別の数字を載せた。OpenAI は Linux カーネルで疑わしい脆弱性 1,724 件をまず再現し、そのうえで使えるエクスプロイトを 948 件書いた。81 は新たに見つけた脆弱性の数、948 は書いたエクスプロイトの数で、比べられない。
本紙の推論:CyScenarioBench の 11 問は標本が小さいが、長時間の課題を測っている。288 問の FrontierCyber とは測る対象が違うので、一方の結果で他方を打ち消すことはできない。
まだ言えないこと: 数字の多くは OpenAI の自社テストである どう確かめたか →
次に注目するのは、Mozilla のセキュリティアドバイザリに載る脆弱性番号と修正版、そして Linux カーネルの保守担当者がこれらの通報をどう扱うかである。
出典と検証
この記事は2026年11月6日の夕刊に掲載されました(同じ号にほか 17 本)。確認の経緯、引用の照合、その日に確認できなかった資料は、その号の本日の検証にあります。
この記事を引用
SecondSource(2026)「OpenAI は GPT-6 Cyber を公開し、発表は多くのセキュリティ課題で GPT-6 Astra を上回るとするが、システムカードが引く評価会社 Irregular のテストの一つでは Astra がわずかに高い」https://secondsource.io/ja/news/2026-11-06-3/ (閲覧日閲覧)