SecondSource一次情報から判断を組み立てる

Anthropic は 11 月 3 日、検証可能な推論の試作 FlashProve をオープンソースで公開し、H100 一枚で 4,000 億パラメータのモデルのゼロ知識証明を毎秒約 110 トークン分作れるとした。

コンセプトイラスト:左側で黒髪の人物が後ろ姿で大きな紙を両手で掲げている。紙の上部には二本の太い斜線でできた黒いマークと ANTHROPIC の文字があり、その下は縦線で左右二つの枠に分かれている。各枠には灰色の横線が三本入った吹き出しがあり、その尾が下にある H100 と書かれた黒い箱型の機械を指している。右の枠では、FLASHPROVE と書かれた斜めの赤い札が機械の下部に重なっている。 画像内の文字:約110トークン 毎秒の証明、Anthropic自己申告。

証明の生成にかかる GPU 時間は通常の推論の約 70 から 95 倍で、数字はすべて Anthropic の自己申告である。検証可能な推論とは、利用者が重みを入手できなくても、ある応答が約束どおりの重みで計算されたことを確かめられる仕組みである。ゼロ知識証明は、計算の中身を明かさずに、すばやく検証できる暗号学的な証明だ。試験の対象は 4,000 億パラメータの混合エキスパートモデル Llama 4 Maverick で、4 ビットに量子化した。H100 一枚で毎秒約 110 トークン分の証明を作り、1,024 トークンの要求一件あたりの証明は約 19 MB になる。検証は CPU だけで行い、24 コアで 17 秒かかる(Anthropic Research、2026-11-03)。Anthropic が挙げた従来の仕組み zkLLM は、130 億パラメータのモデルで毎秒約 2.5 トークンだった。モデルの大きさも量子化もハードウェアも違うので、規模の目安にしかならない。FlashProve が証明するのは「この出力は約束した重みから出た」ことだけで、内容の正しさは証明しない。いまの対象は 1,024 トークンの文脈、整数演算、貪欲デコーディング(各段階で確率の最も高い語だけを選ぶ方式)に限られる。Anthropic は、高速版の検証器に形式的な保証がないこと、証明にかかる時間から情報が漏れうることも限界として挙げた。Anthropic が書く用途は、規制当局がハードウェアが約束どおりのモデルを提供しているかを確かめることと、ルーティング事業者が安いモデルにすり替えていないかを確かめることだ。性能の数字を第三者が再現した例はなく、コードは Apache 2.0 で公開されている。 どう確かめたか →

出典と検証

この記事は2026年11月4日の夕刊に掲載されました(同じ号にほか 10 本)。確認の経緯、引用の照合、その日に確認できなかった資料は、その号の本日の検証にあります。

この記事を引用

SecondSource(2026)「Anthropic は 11 月 3 日、検証可能な推論の試作 FlashProve をオープンソースで公開し、H100 一枚で 4,000 億パラメータのモデルのゼロ知識証明を毎秒約 110 トークン分作れるとした。」https://secondsource.io/ja/research/2026-11-04-1/ (閲覧日閲覧)