Simon Willison 氏はノート PC 上のオープンモデルで重みからゲームを当てる試験をし、四題中三題が正解だった

ソフトウェアエンジニアの Simon Willison 氏は 11 月 3 日、ある論文の実験のうち、重みを読む側だけをノート PC で再現した。論文は、フロンティアモデルがニューラルネットワークの重みを読み解き、書き換えることもできると主張する。Simon Willison 氏の試験では、オープンモデルも小型ネットワークの用途を四題中三題当てたが、重みの書き換えは未再現だ。
同氏が取り上げたのは、11 月 2 日に X で広く拡散した論文である。同氏が引いた論文の要旨によると、Rikiya Takehi 氏らの〈Sparks of Weight-Space Programming〉は、OpenAI の GPT-6 Astra が生の重みだけを見て、小さなネットワークが何のために訓練されたかを言い当てられるとする。さらに Qwen3.5-0.8B の重みの 0.016% だけを書き換え、数学の評価 MATH-500 の正答率を 7.9% から 48.1% に引き上げたという。これらは著者の自己申告である(論文著者の投稿、2026-11-02)。
Simon Willison 氏が再現したのは「読む」側だけである。同氏は英国のソフトウェアエンジニアで、Django の共同開発者であり、誰でも追試できる形でモデルの実測を長く公開してきた。今回使ったのは、論文が公開した小型のゲーム戦略ネットワーク四つだ。重みを浮動小数点の数字のままプロンプトに貼り、道具は一切与えずに、どのゲームを遊んでいるかを尋ねた。ノート PC で動かしたのは約 17 GB のオープンモデル Qwen 3.8 27B で、Pac-Man、Pong、Breakout を当て、Freeway は外した。一題に 46 分から 1 時間 5 分かかった。同じ Breakout の問題を、Moonshot AI の Kimi K3.1 Pro はクラウドの OpenRouter 経由で 10 分足らずで当てた。ハードウェアが違うので、ノート PC の所要時間とは直接比べられない(Simon Willison、2026-11-03)。
同氏の結論は、二つのことを分けて見るべきだというものである。重みを読んで用途を当てることは成り立つが、「経験のある人なら紙と鉛筆でもできる」。道具を使って別のモデルの重みを書き換える側を同氏は試しておらず、再現した例もまだない。spaCy の作者 Matthew Honnibal 氏は、論文が二つを混ぜていて誤解を招くと述べた。エンジニアの Sean Goedecke 氏は、重みを書き換える手順は人間の研究者がふだんやることと同じだと指摘した。二人の発言は、どちらも Simon Willison 氏の紹介による。
まだ言えないこと: 一人が一つのオープンモデルで、四題を一回ずつ試しただけ どう確かめたか →
次に注目するのは、独立したチームが論文の公開コードで重みを書き換える側を再現するか、そしてオープンモデルではもっと大きく一般的なネットワークを読めないと示す人が出るかである。
出典と検証
この記事は2026年11月4日の夕刊に掲載されました(同じ号にほか 10 本)。確認の経緯、引用の照合、その日に確認できなかった資料は、その号の本日の検証にあります。
この記事を引用
SecondSource(2026)「Simon Willison 氏はノート PC 上のオープンモデルで重みからゲームを当てる試験をし、四題中三題が正解だった」https://secondsource.io/ja/news/2026-11-04-4/ (閲覧日閲覧)